デスノート 全巻

高校生・夜神月がある日拾ったノートは、人の名前を書き込むとその人物が死んでしまう悪魔のノートでした。
頭脳明晰な月は、このノートを使って世の中の犯罪者を撲滅し、誰もが安心して暮らせる平和な世界を構築しようと考え、正体不明の神・キラとして行動を開始しますが、理由がどうあれ殺人には変わりなく、警察が捜査に乗り出します。
そして、世界的に有名な天才探偵・Lが警察に加わり、月・キラと高度な頭脳戦を始める事になっていきます-。

 

頭脳明晰、スポーツ万能、背が高くルックスも良い、父親は刑事というすべてに恵まれた存在でいながら、それらを間接的にとは言え殺人を犯す事に使うというのが、これまでの少年漫画にはない新しい型の主人公だと思います。ピカレスクヒーローとしての格好良さは、この月と小説「悪の教典」の主人公が最高峰ではないでしょうか。

 

「少年ジャンプ」に連載された少年漫画ではありますが、テーマが正義と悪の概念そのものに疑問を投げ掛ける物であり、また、主人公・月とその最大のライバルの探偵Lの頭脳戦が主軸である為、読みながら自分自身推理・推察をしていくストーリー性が非常に高い物で、絵柄も綺麗なので、高い年齢層の方でも読み応えのある物語だと思います。
登場人物それぞれが非常にキャラが立っており、群像劇的要素もあります。
全13巻と最近のヒット漫画にしては短くまとめられているのも良いと思います。セリフが多いので読むのには多少時間が必要ですが(笑)

 

大きな山場は3回程あります。
まず、とある大企業の幹部がキラであり、月とLが彼を追い詰める話です。テレビ局・警察の大部隊を巻き込んだ大がかりな物で、映画的感覚で楽しめます。
2回目は、月がLを遂に倒す話ですね。そこまでのストーリー展開を思い出しながら読むと、月・Lどちらの立場に感情移入しても胸に迫る物があると思います。
最後は、物語の最終局面。亡きLの後を継いだ少年探偵・ニアが、月を完全に打ち負かし、キラと断定する場面ですね。
夜の廃倉庫で、生き残っているほぼすべての主要キャラが集まる中で、月が「僕がキラだ」と宣言し、一緒に行動してきた相棒の死神・リュークに止めを刺されるという、まさかというか哀れな最後はなんとも言えません。
お勧めしたいのは、推理小説やサスペンスが好きな方ですね。
好きな人には堪えられない物語だと思います。
ドラマや映画にもなりましたが、それらは漫画をかなりアレンジしてあり、特にドラマは著しく内容が違うので、もしドラマ版しか知らない、という方には読んでみていただきたいですね。
数か所矛盾というか無理がある部分もありますが、大半のトリック・ストーリーはよく練られており、最後まで頁を捲る手がとめられないと思いますよ。